驢馬(ロバ)にゆられて 〜Silkroad旅行記〜 #1

「ぽんこつオヤジのアウトドア三昧!」

◆ Silkroad旅行記  #1 〜準備編

 むかしむかし、好奇心旺盛な若者が東京におりました。
 若者の名は「クマ太郎」と言います。クマ太郎ともう一人「ヨシ之介」の二人の凸凹コンビが、はるか昔のシルクロードをひたすら西に向かって歩き始めました。

 それは今からおよそ40年前の、寒い冬の日の羽田空港が旅の始まりでした。

 クマ、ヨシの二人とも19歳の若造で、それまで日本を一歩も出たことはありません。その当時の日本では外国旅行に行った人は、「洋行帰り」と呼ばれ奇人変人扱いされるようなこともありました。
 もちろん二人とも英語はからきし話せず、そもそもほとんど外国人を見たこともありません。東京生まれの東京育ちといっても現在の日本とはかなり様子が違っていたのです。

 まずはシルクロードに旅立つ前にどんな準備をしたか、簡単にお話しします。

 40年前にはインターネットも携帯電話もありません。何をするにも図書館や黒電話であちこちに問い合わせをして調べるのです。

  初めて海外に出て行くには何が必要か・・・
  パスポートを取らねば!
  ビザが必要な国はどこだろう?
  ビザってどうやればとれるのか?
  大使館はどこにある?
  そもそも勝手に行っていいのだろうか?

今なら気軽に簡単に手配できる事が、ひとつひとつ調べて行かないとわからなかったのです。ただ救いとしてはOBの先輩が海外遠征に行った時の話を聞いていたため、おぼろげながらも手順の見当がついたということでした。

 … つづく

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