驢馬(ロバ)にゆられて 〜Silkroad旅行記〜 #52
「ぽんこつオヤジのアウトドア三昧!」
◆ Silkroad旅行記 #52 〜インド コルカタ滞在編 〜
※タイトルの写真は「裏通りを歩くお洒落な女性」
鉄棒の先が赤くなり始めるとおもむろに空の使い捨てライターのお尻に当てて“ジュッ!”と小さな穴を開けたのでした。
「親父!穴開けて使い物にならないじゃん。どうするんだよ?」
「へっ!簡単、簡単!まあ見てな」
インドの路上売りの親父が江戸弁をしゃべるワケはないのですが、雰囲気としてそんな感じのやりとりで会話が続くのです。
「この穴にな、こいつをギュッと押し込むワケだ」
焼け火箸で開けた穴にガスボンベ、しかもプロパンガス!のノズルを押し当てて“シュッ”とガスを詰め、素早くライターのお尻の穴を親指で塞ぎます。もう片方の手でプラスチックの欠片を持ち、先ほどの怪しいロウソクにかざして炙るのです。
プラスチックの欠片がトロケ始めると指先で丸め、左手で塞いでいたライターのお尻の穴にトロケたプラスチックを押し当てて固まるのを待ちます。
「親父!熱くないのか!?」
思わず声をかけてしまうのですが、親父はへっちゃらな顔で
「ちーとも熱くねえや。にいちゃんこのライター買わねえかい?
安くしとくよ〜2ルピーさ〜」
さっきまで山積みのガラクタと思っていた総額6ルピーの“商品”のうちのわずか1個が見る間に2ルピーに化けたのでした。
あの“ガラクタ”は一体いくらに化けるのだろうか・・・インドの逞しさを実感した瞬間でした。