驢馬(ロバ)にゆられて 〜Silkroad旅行記 #16〜#19” まとめ③

「ぽんこつオヤジのアウトドア三昧!」

◆ Silkroad旅行記   #16〜#19 まとめ③
  ※タイトルの写真は  Rickshaw Taxi – リクショウ(人力車)

 ここから三つ目の騒動に突入していく事になります。
すったもんだの挙句、ようやくタクシーに乗り込んだ凸凹二人組はタクシーの運転手に
  「カルカッタの国鉄の駅まで行って下さい。ハウラst.の辺りです」と伝え、
  「さっきの客引きは20〜30ルピーと言ってたけど、オッチャンはいくらで行ってくれる?」
とまずは確認。すると、50ルピーだと言い始める。
 いよいよ値切り交渉第2ラウンド開始!と、凸凹二人組の頭の中でゴングが鳴りました。
  「オッチャン、20Rにならん?」
  「あかん!45Rや!」
  「そう言わんと25Rでどうや?」
  「あかん、あかん!40Rがいいとこや」
  「なら30Rでいいやね!おまけに日本のライターあげるから!30Rで頼むわ」
  「ライターくれるん?ほんまやな。なら30Rにしたるわ」
と言うようなやり取りがあったわけです。
 インド人は関西弁を喋りませんが・・

   ◎ハウラー橋下の花市場 [Mullik Ghat]
ハウラー橋下2
   ◎ハウラー橋を渡る人々
ハウラー橋2

 凸凹二人組はここで大きな勘違いをしてしまうのです。
   〜このオッチャンはすぐ値切れるで、もっと値切ったろ!〜

 30Rは日本円でいくらになるのか、当時の金額で1200円〜1300円くらいです。この金額なら少々ボラれていたとしても納得のできる金額であったはずです。しかし凸凹二人組は入国時の税関の洗礼と、タクシーの客引きとのやり取りで、知らず知らずに頭の中が現地通貨基準に完全に切り替わっていたのです。
 実際は1200円であっても、感覚的には1万円くらいに思い込んでいました。この頭の中の現地通貨基準がのちのちにも大きく影響して行ったのでした。

 値切り易しと思い込んだ凸凹二人組は30Rよりももっと安くしようと、トンチンカンな交渉を切り出しました。

  「オッチャン、このライター、日本で500円位するんだ。だからインドだと12Rくらいかな。もう一個あげるから20Rにならん?」
    (ウソです。ホントは100円ライターです)
  「ライターはさっき貰ったからいらん。もっと違うのないのかい?」

 この一言で大損に突入するのでした。値切り易しと踏んでいるため、バンコクで買った非課税のウィスキーを取り出し、
  「これあげたらタダになる?」
などと言いながらポロポロと小物を出し始め、ひとつずつ交渉していくのです。

   ◎コルカタ ハウラーst.を安宿の屋根上から望む
ハウラーst.

 値切り交渉にかけては凸凹二人組とインド人とでは、赤子と達人以上の違いがあるわけです。かなうわけがありません。

 いいようにあしらわれ、いつの間にやら非課税のウィスキー「ジョニーウォーカー」をはじめ、帽子やサンダルなどいくつも提供する羽目になり、カルカッタ駅に到着するや 「おまけして20Rでいいや」 と言うのです。わずか10Rしか安くなっていないのですが、何故か得した気分になりウィスキーやサンダルなど気前よく上げてしまっていました。
 あとから冷静に考えてみれば、ウィスキーだけで200R以上で楽に売れたのに・・・と、歯噛みする羽目になったのです。

 10R(430円)値切るのに、300R(約13000円)を気前よくあげてしまったのです。この事実に気付いた時、凸凹二人組は100万円を無くしたような気分におちいり、貧しいランクのカーストのインド人よりも質素な食事で数日を過ごす事になったのでした。

   ◎コルカタの裏通り
コルカタ裏通り

   … つづく

 

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