驢馬(ロバ)にゆられて 〜Silkroad旅行記〜 #54
「ぽんこつオヤジのアウトドア三昧!」
◆ Silkroad旅行記 #54 〜インド コルカタ滞在編 〜
※タイトルの写真は「コルカタの母と幼児」
このパーンをしばらくの間、毎朝タバコ売りの親父から買っていました。しかし痺れるだけでタバコらしくなく、ちっとも美味しくないためそのうちパーンをやめて“ビディー(bidi or beedi)”に切り替えました。
ビディーは刻んだタバコの葉を黒檀の葉で包み、くるんだ葉の先を糸で縛り乾燥させたモノで、紙巻きタバコのシガレットではなくいわゆる葉巻タイプのシガーに当たるタバコです。1975年当時の価格は20本入り40パイサで、ビディーはインドでは中級タバコの部類に入るらしく、低所得層の人たちが吸っているのを見たことがありません。
パーンからビディーに切り替えたのは大正解だとわかったのは大分あとになってからで、パーンは口腔癌を誘発するかなり危険なシロモノ(前述のとおり)である。との話を教えてもらったのは、アフガニスタン・カブールの安宿で知り合った、インド滞在歴の長い医師から教えてもらいました。
このお医者さんも結構ジャンキーな生活をインドや中近東で送り、医師と看護師の“不倫の果ての逃避行?“かと思わせる妖しげな雰囲気を漂わせていて、いつか心中でもやらかすような感じでとても気になる二人組でした。
医師カップルは「パーン」は危険だと言いながら、自分たちはアフガニスタンではもっとヤバそうなシロモノに手を出して、「君たちは絶対にやったらいかんゾ!」などと説教をしていました。その後の彼らは、”強制送還に近い形で日本に戻された”とイラン・テヘランの宿で風の便りに聞いたのでした。
不倫医者カップルも逃避行の果てではあったが、生きて日本に帰れたんだなぁ…と、なぜか安心した記憶があります。
◎不思議な噛みタバコ”パーン” (再掲)
◆ 写真の”パーン”は「出来のいい状態」のモノです。葉っぱも
かなり綺麗で、瑞々しく、見た目的には”餅抜き桜餅”の風情
で囓ってみたくなるような立派な”パーン”です。
一般的にはもっとガサガサの葉で、破れていたり、中身が
はみ出していたりと、インド生活に慣れていないと口にする
には勇気がいるモノがほとんどでした。
… つづく